2007.09.24 Monday
「ルパンの消息」横山秀夫
ネタバレは裏表紙程度。 先週とは打って変わり、残暑から小春日和って感じの東北です。すっと10度ぐらい最高気温が下がって、秋めいてきました。やっとしつこい暑さから解放。 で、読書してみました。平日を休日のように過ごし、連休は平日のように、仕事の追い上げや、雑務で過ごすという私のライフスタイルですが、ここんとこ毎週頭、連休が続き、人並みにお休みしてみっかなと、読書。 かねてから気になっていた、横山秀夫の処女作「ルパンの消息」を読む。警察まわりの新聞記者をやっていた著者が、この小説を期に、記者を辞め、作家になったという、「人生転機の一打」とのこと。いまはもう辞めましたが、うちで飲み屋をやっていたころ、お客さんでよく警察の人が来ていたんで、警察ネタに大いに興味有りっていうこともあります。 ルパンの消息 (カッパノベルス) 横山 秀夫 横山秀夫の作品は、「陰の季節」「動機」「半落ち」など何冊か読んでまして、ムダの無い描写、人物、リアリティにおいて、実に読みやすく、頭の中に映像がすんなり浮かぶ。わたしは、たいてい文章を映像化して、ふんふんと読み進めるほうなんで、ストレス無くその映像が続くと、とても話に集中でき、楽しく読める。ですので、横山作品のファンなのです。 「ルパンの消息」が17年前、佳作に選ばれた「サントリーミステリー大賞」は、今は無いそうですが、その間書籍にならず、2005年5月に、やっと本になったそうだ。「丸15年の時効寸前に日の目を見た」とあとがきにありました。 話の舞台は、昭和50年代。3人のツッパリ高校生が、深夜学校に忍び込み、期末テストの問題を盗んだ。同じ夜、校舎の屋上から女性教師が墜落死。自殺として処理されたが、15年後、殺しだったという一本のタレ込み情報が、警察を動かす。そして「三億円事件」との絡み合い。という話です。登場人物が多く、群像劇ですが、警察、容疑者、参考人など区分けがはっきりしているので、混乱無く読めます。ドラマ化されたらどうか?と考えてみましたが、事件当時と時効直前に招集された容疑者達の15年間をフラッシュバックなどで繋げ、多様な展開し、LOSTみたいに演出すれば、なかなかおもしろくなるのではと思いました。時効というタイムリミットもあるんで、広げた風呂敷はちゃんとたたまれるし。 関係ないですが、楽天イーグルス、ここんとこいい感じで勝ってます。今日も岩隈完封のがしたものの西武に完勝、残り全部勝ってくれー。奇跡を呼び、3位になんねーかな。クライマックスシリーズに参加してほしいー。 |